子どもの睡眠

赤ちゃんにとって快適な「睡眠環境」とは ~3本柱その①~

目指すのは、赤ちゃんが気持ちよく寝つくことができ、

朝まで寝続けられる環境こそ適切な睡眠環境です。

 

条件としては5つの要素があります。

 

  • 部屋の温度と湿度
  • 寝るときの服装
  • 安全性

 

一見、当たり前のように思われるかもしれませんが、

とくに”快適”かつ”安全”な環境を維持することです。

 

意識したい大切なポイントとして、

寝ついたときと同じ環境、が起きる時間まで変わらず続いていること

を心がけましょう。

 

まず、光にも良いものと悪いものがあります、

いくつか事例を出してゆきましょう。

 

朝の日光

良いものの代表的なのが、朝の光です。赤ちゃんの睡眠トラブルというと、

寝かせる直前にどうにかしようと考えてしまいがちですが、それは大きな落とし穴。

 

質の良い睡眠をつくる鍵は、朝の日光浴から始まっているからです。

 

科学的には、日光を浴びる時間が長いほうが、

より活発に活動でき、長い睡眠時間を確保できる、

という研究もあり、日光浴びる量が不足すると、

なかなか寝付けないことがわかっています。

 

この原因は、睡眠ホルモンのメラトニンです。

 

メラトニンはの特徴は、夜間に分泌され眠気を誘い睡眠の質をあげてくれます。

 

しかしながら、このメラトニンは寂しがり屋でなかなか出てくれません。

 

朝の日光を15分浴びることで、

セロトニンという気分の安定に大切な神経伝達物質の合成・分泌量が増えますが、

このセロトニンというパートナーがいてはじめて、

脳の中でメラトニンが盛んに合成・分泌されるようになります。

 

実は、新生児は母乳を通してメラトニンを受け取っているのですが、その量は少なく、

生後3ヶ月頃までは自分では合成。分泌することはできません。

 

加えて、昼と夜のリズムを測る体内時計も整っていないので、

昼夜構わず寝たり起きたりします。

 

新生児にも朝の日光浴は大切で、

これは体内時計のリズムを体に覚えさせ昼夜の区別ができるようになります。

 

朝起きたら、カーテンを開けて約15分間ほど日光浴しましょう。

 

これで、子どもは日光を浴びたら起きる時間だという認識ができ、習慣となります。

 

ママの都合もあると思いますが、だいたい夜の就寝時間を考えると、

日光は遅くても10時までには浴びたいですね。

 

例えば、外に出て散歩。

買い物や兄弟の幼稚園などの送迎のついででも構いません。

 

晴れていれば、外出しなくても大きな窓がある部屋の中で過ごすだけでも良いでしょう。

 

朝に限らず、日中の起きているときは日光が入る明るい部屋で過ごすようにするのもポイントです。

 

午前中に日光浴をすることは、ママの気分の安定や快眠も促してくれます。

 

大切なことは、日光浴を朝の10時までにということ。

 

ブルーライトは睡眠トラブルのもと

携帯やテレビ、タブレットなどから発せられるブルーライトは、

メラトニンの分泌を抑制させ脳を活発状態にさせてしまいます。

 

就寝前に浴びると自律神経や体内時計が乱れ寝つきが悪くなります。

 

テレビやタブレットなどの使用は就寝2時間前までが理想です。

 

ただ、夕飯の準備など忙しい時間帯では仕方ないときもあるでしょう。

 

そういう場合は、1時間前など各家庭にあったアレンジするべきですね。

 

常夜灯は明るすぎ、ナイトライトを

寝室は遮光カーテンをつけ、照明をすべて消し、

真っ暗な状態で朝まで眠らせるのが理想です。

 

けれども、真っ暗だと授乳やおむつ替えなど見えにくくて不便で、

つい照明をつけて部屋を明るくしがちです。

 

しかし、明るくすると子どもの目は完全に覚めてしまいます。

 

では、どうするか。

 

ここで出番なのが”ナイトライト”です。

(耳慣れないかもしれませんが)

 

目が慣れないうちは暗くて手間取るかもしれません、

焦らず目を慣らせばすぐに慣れます。

 

ナイトライトとは、コンセントなどに差し込み、

足下を照らすだけのライトです。

 

色は赤、オレンジ、ピンクといった暖色系で

2~3ルクス以下のものがおすすめ。

 

常夜灯は赤ちゃんにとって明るすぎます。

 

2歳前後になると、脳が発達して妄想の世界が広がり、

おばけやモンスターを怖がるのと同じで、

”暗いのが怖い”と主張してくる場合があります。

 

まず何が怖いのか理解してあげ、ナイトライトを活用するほか、

”夜は怖くないよ、暗いのは怖くないよ”というのを絵本を通して、

教えてあげるのもよいでしょう。

 

暗さになれるため、日中のうちに寝室を暗くして懐中電灯で遊ぶなど、

暗闇が怖いというイメージを払拭してあげるのもアイデアの1つです。

 

注意したいのは、ナイトライトを途中で消さないということ。

 

赤ちゃんは夜中に目が覚めたときに、寝ついたときの状況と変わっていると不安を抱きます

 

夜泣きや夜中に覚醒してしまう原因になるので、ナイトナイトは一晩中つけておきましょう。

 

私が選んだナイトライトはこれ みんなが買ってる ベイビーナイトライト Baby night Light / VAVA

 

子どもが暗がりを大好きになる絵本ならコレ → 「暗いの怖い」克服したい子ども向け絵本まとめ

 

カーテンの隙間光は早朝起きのもと

朝の4,5時に起きてしまう早朝起きの原因で最も多いのがカーテンの隙間光です。

 

遮光カーテンではなかったり、

遮光カーテンでも遮光効果の低いものを使っている場合に起こります。

 

注意したいのは

十分な遮光効果のあるカーテンを使っていても、

隙間光が入ってくる可能性がある箇所があります。

 

それは、カーテンレール、カーテンの端、カーテンの最下部。

 

ようは、あらゆる光が漏れる可能性がある箇所です。

 

確認するのに手取り早いのは、早朝に子どもの寝室を見てみることでしょう。

 

カーテンレールには布、端にはマジックテープ、最下部にはクッションやタオルなど、

素材は何でも良いのですがとにかく光を完全にシャットアウトすることです。

 

わずかな光でも反応してしまう子どもはいます。

 

外からの光を遮断することは、早朝起きに限らず、睡眠トラブルの予防になるので、

入念にチェックしたいポイントです。

 

遮光カーテンでコスパを求めるならコレ → 遮光カーテン、子どもの睡眠を守るなら迷わず遮光1級

 

実は子どもが安心して眠れる音がいくつかあります。

 

静寂はダメ?安心して眠れる音

意外なことに、テレビやラジオなどのシャーという砂嵐の音

 

眠りや集中力を妨げる雑音や生活音を打ち消す効果があります。

 

もう一つは、波の音や小川のせせらぎなどのゆらぎのある自然音

 

癒しやリラックス効果があります。

 

子どもの安眠を助けるには理由があって、

シィーッ、シィーッという血流音やドクンドクンというママの心音はと似ているから。

 

赤ちゃんがママのお腹の中でずっと聞いていた音なので、

寝ているとき無音だとかえって不安に感じる赤ちゃんもいます。

 

とくに月齢の低い赤ちゃんは、その傾向が強く、こういった音は効果的です。

 

赤ちゃんが発する「あー、うー」という声にママが敏感に反応するのを防ぐ効果もあり、

親の快眠にも繋がるとも言われています。

 

ぐっすり音は50デジベル程度のもの

赤ちゃんが安心して眠れる音を発する専用機器やCD、アプリが発売されていて、

ネットでも”ホワイトノイズ”や”自然音”で検索したら山ほど出てきます。

 

スマホや機器を設置する場合、2mほど距離をおきましょう。

 

その場合、電磁波の影響を防ぐため飛行機モードにしておくといいでしょう。

 

旅先などでは、こういった機器を持ち運ぶのが難しい場合もありますので、

換気扇の音でも代用できます。キッチン、トイレ、お風呂などの換気扇を回して利用しましょう。

 

注意したいのは

ぐっすり音は一晩中流すこと、途中で消してはいけません。

仮に赤ちゃんが夜中に起きたとしても、

寝かしつけのときと同じ環境がキープされ、

子どもが安心し、再び自力で眠ってくれる確率が高まってゆきます。

 

ホワイトノイズって何?聞くとよく眠れる理由ホワイトノイズマシン発生器、赤ちゃんや子どもの快眠に

 

部屋の温度と湿度

寒いより暑いほうがグッスリ眠れないのは大人も一緒です。

赤ちゃんの睡眠最適温度は20~22度

20~22度、これは寒い。

と思うかもしれませんが実は大人には肌寒く感じる温度くらいが赤ちゃんにとっては適温です。

 

また、赤ちゃんの睡眠を考えるうえで

決して避けることのできない乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げてくれます。

 

これは、1つの目安ですが乳児の体温が高くなりすぎないよう、

大人が薄着で快適だと感じる温度に部屋を保ち、

過度に服を着せたり、温めすぎないことを推薦しています。

 

寝汗をかきながら夜泣きする場合など、

部屋の温度を確認して調整すると解決する可能性は高くなります。

 

赤ちゃんの適温チェックリスト

寝室の状態や子どもの平熱によって目安となる温度は左右されるので、

次のポイントでチャックしてみてください。

 

  • 大人が寝室に入って肌寒い
  • 赤ちゃんが夜中に起きた時、背中や頭に汗をかいている場合は暑すぎる
  • 赤ちゃんの手足に触れてみて、指先まで冷えていたら寒すぎる
  • 赤ちゃんが怖い夢を見て、起きたり、夜驚症(*1)の場合、暑すぎる可能性があるので温度を下げる
  • エアコンの風邪が赤ちゃんに直接当たらないようにする

*1 ;夜中に起きてギャーと叫ぶ

 

とくに、夏は20~22度の設定は寒すぎるかもしれません。

あくまで目安として捉え、

夜泣きや寝苦しそうなどの睡眠トラブルがなければ、

25度でも問題ありません。

 

大切なのは赤ちゃんの状態に合わせた温度にすることですから。

 

湿度は40%~60%がベスト

一年を通して湿度の高い日本ですが、

地域や室内環境によって大きく変化するため、

室内の湿度コントロールは大切になってきます。

 

エアコンによって湿度をコントロールできるものもありますが、

加湿器や除湿機を活用するといいでしょう。

 

ここで注意したいのが加湿器の選び方でスチーム式など、

ヒーターを利用して加湿するタイプは部屋の温度をあげてしまうことがあります。

 

また、カビや雑菌にも気をつけたいため超音波式以外のタイプがおすすめ。

 

子どもが小さい時には絶対これは気をつけて欲しい加湿器病?子ども部屋の加湿器はこう選ぶ

 

寝るときの服装

海外では1歳以下の子が寝るベビーベッドの中には何も入れません。

 

赤ちゃんの布団は2歳から

理由は掛け布団を使用することでの窒息事故、

そして暑すぎにより怒る可能性がある、

乳幼児突然死症候群のリスクを下げるためです。

 

海外では日本に比べ、乳幼児突然死症候群の数が多く、

産婦人科や小児科でも積極的に啓蒙活動をしています。

 

赤ちゃんが掛け布団を蹴るなどして顔や首にかかる事故を未然に防ぐためです。

 

かわりにおくるみ(スワドル)やスリーパーを使います。

 

何よりも安全を考える場合、掛け布団は避けたほうが無難だといえます。

 

成長や季節に合わせて選ぶ
  • 新生児

・夏;100%綿 半袖 + 長ズボン + おくるみ

・冬;100%綿 長袖 + 長ズボン + おくるみ

  • 寝返りをし始めたら(おくるみをやめます)

・夏;100%綿 長袖 + 長ズボン (とても暑い場合は半袖+半ズボン)

・冬;100%綿 下着 + 長袖 + 長ズボン +スリーパーまたはスリープザック

 

おくるみ(スワドル)の使い方

おくるみは正しく使わないと、

股関節形成不全など骨の発達を妨げてしまったり、

ゆるみが生じて脱げたりしてしまいます。

 

ハーヴェイ・カープが推薦する方法が最も有名です。

 

ポイントは、赤ちゃんの腕が動かないように

しっかりと巻きつつも苦しくない程度にすることです。

 

詳しくは、こちらの動画をご確認ください。(英語ですがw)

 

パジャマやシングは快適な素材を

ちょっとした不快感が夜泣きなどの原因となることもあります。

 

基本的に綿100%のものがおすすめですが、

アトピーなどで刺激に敏感な場合には、

オーガニックコットンを選ぶのもアリだと思います。

 

また、マットレスを通気性のいいものに変えるなど、

シンプルな環境なだけに、素材選びにはこだわりたいところです。

 

安全性

ようは、親と同室か別室か、添い寝をするかしないか。

 

これは一概に言えない側面もありますが、

大切なのは家庭環境に応じたベストな寝床を確保することです。

 

最優先するのは安全性

海外の小児科学会では乳幼児突然死症候群のリスクを考えて1歳までは、

親子同室、寝床は別”にすることをすすめています。

 

それは、赤ちゃんにとって一番安全な寝床はベビーベッドだからです。

 

ただ、家庭の住環境や育児方針なども踏まえて、夫婦で十分に話し合い、

最前な寝床を決めてゆく必要があります。

 

同室と別室、それぞれのメリットデメリット
  • 同室

・メリット;何かあったとき素早く対応できること

・メリット;乳幼児突然死症候群のリスクが半減する(別寝床に限り)

・デメリット;ひとりで寝れるようになるまで時間がかかる

・デメリット;夫婦のプライベートスペースがなくなる

 

  • 別室

・メリット;夫婦のプライベートスペースが保たれる

・メリット;兄弟がいる場合に平等に扱うことができる

・メリット;親の気配で子どもを起こさない

・デメリット;授乳など別室まで移動しないといけない

・デメリット;授乳後の寝かしつけが大変になりがち

・デメリット;赤ちゃんが寂しいと感じたり、逆にママやパパが心配になって何度も様子をみにいってしまう

 

住環境にもよりますが、安全な睡眠環境を最優先したうえで親が何を優先するかが、

赤ちゃんの寝床を決める大きなポイントとなるでしょう。

 

添い寝はハイリスクハイリターン

睡眠の点からいうならば、”親子同室、寝床別”が理想ではありますが、

安全性に十分に配慮したうえで添い寝するのは大いにアリだと考えています。

 

メリット、デメリットを踏まえて夫婦で話し合って選択しましょう。

 

  • 添い寝のメリット

・授乳が簡単

・異変に素早く対応できる

・親子ともに安心できるのでよく眠れる

・日中仕事をしている親にとって子どもとの時間が増える

 

  • 添い寝のデメリット

・赤ちゃんが動き、気になって親が眠れない

・赤ちゃんが頻繁に起きる確率が上がる

・添い寝になれると、親以外の人に面倒をみてもらうとき寝つきにくい

・窒息などの事故の危険性がある

 

安全には細心の注意が必要ですが、

大切なのはママと赤ちゃんが幸せがどうかです。

 

安全のためのベビーモニターがおすすめ

同室、別室に関わらず一家に一台ベビーモニターくらいおすすめです。

 

同室で寝る場合でも、寝かしつけた後に家事や自分の時間を過ごすため、

寝室を離れるときに赤ちゃんが安全な状態で寝ているかチェックできるからです。

 

声がしても、すぐに駆けつけなくてもいい場合があってその見極めをすることができます。

 

電磁波や盗聴は大丈夫? → 失敗しないベビーモニターの選び方

 

まとめ

大切なことは

朝の日光を15分浴びる

ブルーライトは就寝2時間前まで

寝室はナイトライト

起床前の隙間光をシャットアウトする

睡眠時、無音は寝にくい

睡眠最適温度は20~22度

睡眠最適湿度は40%~60%がベスト

赤ちゃんの布団は2歳から

1歳までは親子同室、寝床は別が理想

 

まだ、読んでいない方はこちらの記事からどうぞ → 子どもの寝かしつけ、たった3つのポイントを押さえるだけ

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