レム睡眠 ノンレム睡眠

レム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠の教科書

レム睡眠とノンレム睡眠の違いは難しいことではありません。実はこの2つの周期の特徴を知るだけで、睡眠の質は簡単にワンランク上がります。レム睡眠とノンレム睡眠の理想的な割合など、体内時計を崩しがちな人は知っておいて損はありません …


レム睡眠とノンレム睡眠、聞いたことはあるけど、どっちがどっちだったけ?(笑)

なんて話はよくあります。最近では、レム睡眠中に起こしてくれる目覚ましなんて便利なものも出てきました。また、レム睡眠による行動障害に悩んでいる方も少なくありません。

睡眠と言っても、レム睡眠とノンレム睡眠という全く異なる2つの睡眠状態に分けられ、この2つの睡眠が一晩に交互に繰り返されます。レム睡眠とノンレム睡眠には異なるメカニズムと働きがあり両方のバランスが大切で、睡眠不足や生活リズムが崩れるとこのバランスも崩れてしまいます。

今回はレム睡眠とノンレム睡眠について紐解いてゆきましょう。

2019/1/22 追記

レム睡眠とは

レム睡眠 ノンレム睡眠

レム睡眠では脳の活動が盛んなことから、浅い睡眠と言われています。

レム睡眠(Rapid eye movement sleep, REM sleep)中は、眼の筋肉や呼吸の筋肉など一部を除いて力の抜けたいわば脱力状態で、このことから体の睡眠とも呼ばれています。一方で、ノンレム睡眠は脳の睡眠となります。

レム睡眠は、別名「急速眼球運動睡眠」と呼ばれる事もあります。これは、Rapid eye movement sleep の直訳で、その頭文字をとってREM睡眠とも略して表現します。

そもそもレム睡眠の存在は、シカゴ大学のユージン・アセリンスキー(Eugene Aserinsky)の研究によって1953年に明らかになりました。息子を研究対象にして、眼球運動と夢との関連性をも解明したという話題性もあり、近代的な睡眠研究の第一人者となりました。

レム睡眠中に記憶を定着させてくれる

レム睡眠では、脳の一部は起きている時と同じように活動しています。

脳のなかでも、記憶と学習に関わる扁桃体(へんとうたい)や海馬といわれる大脳辺縁系が活動しており、レム睡眠時には、情報の整理、統合が起こり、記憶の定着が起こっていると考えられています。

レム睡眠時には脳の強い活動の反映として夢を見る?

実は、主に夢を見るのはレム睡眠の時です。

レム睡眠中に見る夢の特徴は、視覚的で感情を伴う内容で奇抜なストーリーが多いにも関わらず、違和感を感じません。これはレム睡眠中に感覚や感情をつかさどる脳神経が活動している一方で、論理的な思考をつかさどる前頭葉の一部の活動が低下しているからと言われています。

稀にノンレム睡眠時にも夢を見ることが分かっています。その夢は、レム睡眠時の夢とは反対に、単純で平坦なストーリーが多くなると言われています。

レム睡眠行動障害(RBD)とは

レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つで睡眠時随伴症に分類されます。

本来であれば、レム睡眠中は全身の骨格筋が脱力しているので、脳が覚醒していても体が動くことはありません。しかし、レム睡眠行動障害は何らかの原因で筋緊張の抑制が障害されるために夢で見たことをそのまま行動に移してしまいます。(夢遊病とは違います)

基礎疾患として、脳幹部の脳腫瘍、パーキンソン病、オリーブ橋小脳萎縮症、レヴィー小体病などいくつかの原因が考えられていますが、約半数は基礎疾患を持たず、原因不明だと言われています。

レム睡眠行動障害はこちらの記事で詳しく説明しています。↓

ノンレム睡眠とは

レム睡眠 ノンレム睡眠

ノンレム睡眠とは、脳の活動が緩やかなことから、深い睡眠と言われています。

ノンレム睡眠(Non-rapid eye movement sleep,Non-REM sleep) では、大脳皮質の神経細胞(ニューロン)の活動が低下して、だんだんと同期して活動するようになります。眠りが深いほどニューロンの活動はゆっくりと同期して起こるようになり、脳全体の血流も低下します。

またノンレム睡眠では、筋肉の緊張は起きているときよりは低下しますが、レム睡眠のように完全に緩むまではいきません。ノンレム睡眠の役割は、脳を休ませることにあると考えられています。このことから脳の睡眠とも言われ、パソコンに例えるとスリープ状態とも呼べます。

ノンレム睡眠中には、ニューロンのつながりの再構築やニューロンのメンテナンスが行われていると考えられています。稀にノンレム睡眠の時にも夢を見ることがありますが、脳が覚醒していないため記憶されません。一方で寝入りなど浅い眠り(レム睡眠)に見る夢は内容を覚えていることが多いと言われています。

ノンレム睡眠は、別名「徐波睡眠(じょはすいみん)」と呼ばれることもあります。ノンレム睡眠はステージ1(N1)からステージ4(N4)までの4段階、N4が睡眠が最も深いレベル、睡眠時間の50-60%はN1-N2睡眠が占めています。

最初こそステージ4(深い眠り)が多いものの、明け方(覚醒)に向けてどんどんノンレム睡眠は浅くなってきます。一般的に、最初の2セット(1セット90分とすれば180分の3時間)で、ステージ4から極端に下がると言われています。

レム睡眠とノンレム睡眠の違い

レム睡眠とノンレム睡眠の違いをまとめます。

レム睡眠は浅い眠りで体の休息を取る睡眠だということ、一方でノンレム睡眠は深い睡眠で脳の休息を取る睡眠だということです。一般的な睡眠とは、このレム睡眠とノンレム睡眠が1セットで、それぞれに意味と役割が違います。

最近では、レム睡眠とノンレム睡眠との違いを自動で見極めて目覚ましてくれるスマホアラームアプリ(iPhoneもandroidもあります)が人気な理由も、ノンレム睡眠(深い眠り)で目覚めるより、レム睡眠で目覚めた方が目覚めが良く睡眠に対する満足感が上がるためです。

このように、レム睡眠とノンレム睡眠の違いを使いこなすことで睡眠の質をワンランク上げることができます。

レム睡眠とノンレム睡眠の周期

レム睡眠 ノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠には周期があります。

一般的に、レム睡眠とノンレム睡眠の90分周期と言われていますが、実際には周期が70〜110分間と個人差があります。これは、体調や体内時計などの生活環境にも左右されています。

上記の図(ヒプノグラム)からもわかるように、脳は眠りはじめの3時間で必要な休息のほとんどをとるのが一般的です。眠る時間の長さにもよりますが、レム睡眠の後は必ずノンレム睡眠が現れ、これが一晩に5、6回繰り返されます。

「少しの仮眠でも頭がすっきりする」という人や「何時間眠ってもダメだ」という人がいるように、理想的な睡眠時間には個人差があります。どれだけぐっすり眠れるかが大切なで自分に合った睡眠を探してみましょう。

理想的な睡眠時間の探し方はこちらの特集からどぞ。↓

レム睡眠とノンレム睡眠の割合

レム睡眠 ノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠の割合は変化します。

睡眠不足の人はノンレム睡眠が多くなる傾向があったり、不眠症の人はレム睡眠が多かったりと、その人の体調や生活リズム(体内時計)によっても変化します。睡眠のほとんど(約75%)はノンレム睡眠で残り一部(約25%)がレム睡眠という割合が一般的で、個人差はありますがレム睡眠とノンレム睡眠が約90分周期で繰り返されます。

多くの場合では睡眠が進むほどレム睡眠の割合が多くなり、脳を覚醒させる準備に入ります。体温も上がり、活動への準備が行われるため、レム睡眠の時に目覚めると、すっきりとした感覚(自然な寝起き)を得る事ができます。

レム睡眠とノンレム睡眠の違いがわかるよう、下記にレム睡眠とノンレム睡眠の代表的な特徴をそれぞれ紹介します。

レム睡眠の特徴
  • 急速眼球運動があらわれる
  • 脳波が入眠期から軽睡眠期に似たパターンを示す
  • 身体の姿勢を保つ筋肉(抗重力筋、姿勢筋)の緊張がほとんどなくなる
  • 感覚刺激を与えても目覚めにくい
  • レム睡眠には脈拍、呼吸、血圧など自律神経機能が不規則に変化し、性器の勃起が起こるため、自律神経系の嵐と呼ばれる
  • この時期に眠りについている人を起こすと80%以上の人が夢を見ているなどがあげられます
  • 中枢神経系の発達に関連する
  • 記憶情報処理などに重要な働きをしている
  • 脳は働いているが、身体の筋肉がゆるんでいることから、身体の睡眠と呼ばれる
ノンレム睡眠の特徴
  • 入眠期の浅い睡眠段階ではゆっくりと揺れるような眼球運動がみられるが、その後、睡眠が深くなると眼球の動きは停止する
  • 脳波は活動が低下し、周波数が遅くなる
  • 身体の筋肉の緊張は保たれる
  • 脈拍、血圧、呼吸が安定する
  • 起こすと目覚めが悪く、夢を見ていることは少ない
  • 成長ホルモン分泌や蛋白同化が行われ、また、免疫増強作用がある
  • ノンレム睡眠は大脳の睡眠と呼ばれる

まとめ

レム睡眠とノンレム睡眠の違いは知っておいて損はありません。

レム睡眠とノンレム睡眠はどちらか一方のみで良いと言う訳ではなく、2つで1セットです。このリズムは、生活環境が悪化するなど体内時計が崩れた時に変化しがちです。レム睡眠とノンレム睡眠の特徴を使いこなす事が出来れば、鬼に金棒でしょう。

あとがき(2019/1/22追記)

睡眠の最も基本的な項目を改めて整理しました。

レム睡眠とノンレム睡眠の特徴を知る事で、人生の1/3である睡眠を自分なりにアレンジする事も難しくありません。睡眠の量や質が自分でコントロールできない場合に、もう一度ここに立ち返る事も必要だと思っています。

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